溺愛結婚は突然に〜ホテル王から注がれる、溢れるほどの愛〜
「いくら毎日連絡とってても、会えないだけでこんなに寂しいとは思わなかった」
「……私も。寂しかったです」
「なんか、一ヶ月前より素直になってきた?」
「そんなこと……ないと思いますけど。……前の方が良かったですか?」
「いや?どっちも可愛くて最高」
ストレートにそんなことを言われると照れてしまう。
会ったのも久しぶりだからか、破壊力が凄すぎて全身が火照る。
そんな私を見て優吾さんは優しく微笑み、私に顔を近づける。
「人いるからっ」
そう言うけれど、
「誰も俺らのことなんて見てないよ。皆自分の相手しか見てないから大丈夫」
優吾さんは何も気にせず顔の角度を変えてきて。
ちゅ、と。
リップ音が辺りに僅かに響く。
鼻が触れ合う距離で目が合い、どちらからともなく吸い寄せられるようにもう一度キスを交わした。
「……やばい。止まんねぇ」
「優吾さん……?」
「紅葉、ごめん。明日寝不足にさせてもいい?」
「え、あ、ちょっ……」
「紅葉が可愛すぎて、無理。止まんない」
私の腰を抱いて、優吾さんはどこかに電話をかける。
数分してやってきた優吾さんの車に乗せられ、そのまま辿り着いた先は一つの大きな建物。E.Rのロゴが煌びやかにライトアップされたそこは、Euphoria Resortsが経営する高級ホテルだ。
そのエントランス前で降り、中に入るとフロントを素通りしてエレベーターに乗り込み、二十階のボタンを押す。
二十階に着くと二つしかない扉の奥の方を慣れた手つきでカードキーで鍵を開ける。
その向こうには、シックな雰囲気の高級感あふれる部屋が広がっていた。