溺愛結婚は突然に〜ホテル王から注がれる、溢れるほどの愛〜
ベラージオとはまた雰囲気の違う、高級スイートルーム。
そこに入るや否や優吾さんはすぐに私の腰を引き、先程の続きとばかりに私の唇に押し付けるように性急なキスをした。ミニブーケを取られ、どこかに置いた音がする。
靴を脱いで、キスをしながら後ろ向きに進んでいく。
次第に優吾さんに横抱きにされ、そのままどこかの部屋に入った。
おそらくベッドルームのそこは明かりが付いていないため真っ暗で、優吾さんの顔も見えない。
気が付けばふかふかのベッドに優しく寝かせられており、そのまま優吾さんが覆い被さってきた。
私の顔の横に優吾さんの左手があり、右手は自身のネクタイを雑に緩める。
露わになった首筋や鎖骨、シャツのボタンの隙間からは溢れるほどの色気を放っており、思わず見惚れてしまった。
そんな私の両手を掴んだかと思うと、指を絡めるように優しく繋いで再び濃密なキスをした。
それに息を切らせているとすぐに唇は下に移動していき、離れた手が私の服をそっと脱がせていく。
全身にキスが降り注ぎ、そして上も下も下着の上から敏感なところを指で刺激され、思わず溜め息のような深くて甘い声が漏れた。
「んぅ……やぁ……」
「いや?……じゃあやめる?」
そんな意地悪な声と共に指の動きは止まり。
でもさわさわと触れるか触れないかのところで焦らし始める。
「あ、や、そこじゃ……ない」
「でも嫌なんだろ?やめようか?」
その言葉がわざとだってわかっているのに、すでに熱くなり始めた身体は正直に優吾さんを求めてしまっていた。
「だめ……やめちゃ、ダメ。おねがい……もっと……」
首に腕を回して、自ら求める。
「っ、んな可愛いこと言うなって」
苦しいくらいのキスにもう何も考えられなくなる。
全身を甘く愛撫された後、繰り返される律動に背中に手を回す。
「ゆうごさんっ……」
「ん……?」
名前を呼ぶものの、その先の言葉が上手く出てこない。たまらずキスを求めると、激しいくらいのものが降ってくる。
唇が離れると、グッと腰を持ち上げられてさらに奥深くまで快感が届く。
叫ぶような嬌声を響かせて、そのまま意識を失う。
朝まで二人、寄り添いながら深い眠りに落ちた。