溺愛結婚は突然に〜ホテル王から注がれる、溢れるほどの愛〜
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人生で初めての朝帰りに、私は焦りながら自宅のドアをひっそりと開ける。
まさかあのまま寝ちゃうだなんて……!
朝起きた時、何も身につけていない状態で二人で抱き合って眠っていたことを知り、顔から火が出るほどに恥ずかしかった。
仕事に行かないといけないという優吾さんに早朝に起こされて慌ててシャワーを借りて車で送ってもらった私は、お母様がすでに起きている時間のため怒られる覚悟で家の中に入った。
「た、ただいま……」
リビングからは美味しそうな朝食の香り。
私がドアを開ける音が聞こえたのだろうか、リビングの扉が開き、お母様が顔を出した。
「あら紅葉。おかえりなさい」
「た、ただいま戻りました……」
「朝ごはんは食べた?」
「まだ……」
「じゃあ出勤前に食べてから行くといいわ」
「ありがとう」
どうやらお母様は何も怒っていないらしい。
朝食を食べながら聞いてみると、お父様もお母様も慎ちゃんから私が優吾さんと一緒にいることを聞いていたらしい。
「それにもう紅葉も成人してるんだから、さすがにたまの朝帰りくらいじゃ怒らないわよ」
毎日は困るけどね?と笑うお母様。持ち帰ってきたミニブーケを見て、優吾さんと会っていたと悟ったらしいお母様。
「部屋に飾っておきなさい。お父さんまだ寝てるし、内緒にしておいてあげる」
と言われてもう頭が上がらないと思った。
準備をして仕事に向かうと、歩いている途中で慎ちゃんと遭遇した。