溺愛結婚は突然に〜ホテル王から注がれる、溢れるほどの愛〜
「それはそうと聞かせてよ。その噂の彼のこと!」
「噂の彼って……」
「あんなに相手がいないって嘆いてた紅葉にいきなり彼氏ができたって言うからびっくりしたわよ。で、どんな人なの?仕事は?」
ビールを飲みながら興味津々に聞いてくる優恵に、恐る恐る優吾さんのことを伝える。
「……え!?Euphoria Resortsの社長!?」
「ちょっと!声が大きい!」
「いやだって!え!?嘘でしょ!?」
「そう思うでしょ?でも嘘じゃないんだよ……」
ラスベガスでの経緯を順を追って説明すると、優恵はわなわなと震えたりぽやっと頬を染めたりと、表情をくるくる変えていた。
「そんな出会い、本当にあるの……?」
「あったんだよ。それで私、優吾さんに口説かれて……」
「それで紅葉もその気になっちゃったってこと?」
「う、うん……。やっぱりこういうのって変かな?」
「変って?」
「……私、恋愛経験無さすぎて不安で。優吾さんのこと知れば知るほどすごく優しいし素敵な人だし、アプローチがストレートですごく情熱的で。私も優吾さんのことが好きなんじゃないかなってときめく瞬間がいっぱいあって。でも恋に恋してるだけなのかなとか、いろいろ考えちゃって」
ここ一ヶ月の自分の気持ちを改めて言葉にする。
すると、優恵はジョッキを置いて優しく私の手をぎゅっと握ってくれた。