溺愛結婚は突然に〜ホテル王から注がれる、溢れるほどの愛〜
「全然変じゃないと思うよ」
「……優恵」
「私もね?照史さんと出会ってから、結婚決めるまですごく早かったんだ」
「そういえばそうだったね。あっという間に決まってた気がする」
「うん。それはね、照史さんからのアプローチがすごかったからなの。出会いは親からの紹介だったけど、それ以外はほとんど紅葉と同じなのよ」
優恵と旦那さんの照史さんの馴れ初めは、私と同じように海外で行われたパーティーでのものだったとは以前聞いたことがある。
特に政略結婚のようなものではなかったけれど優恵のお父さんの知人のご子息で、その日紹介されて初めて会った人だったそう。
その場で意気投合してパーティーを抜け出した、というところまで知っている。
「自分でこんなこと言うのも恥ずかしいけど、出会ってから毎日"可愛い"とか"綺麗"って言われて。日本の男性ってあまり言葉にしない人が多いからなのかな。"好きだよ"って、ストレートに愛情を伝えてくれるのが嬉しくて。そんなの、自然とこっちも好きになっちゃうに決まってるじゃない?」
幸せそうな表情に、私も何度も頷く。
わかる。わかるよ、優恵。
私も毎日のように甘い言葉をもらって、恥ずかしいけどそれ以上にすごく嬉しくて。
彼のことを知っていくうちに、いつしか彼からの連絡が来るのが楽しみで。待ち望んでいる私がいた。