溺愛結婚は突然に〜ホテル王から注がれる、溢れるほどの愛〜
結婚へ向けて
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それから、私たちの関係は急速に変わっていった。
数回のデートを重ねた後。八月後半の、私の誕生日。
夜景の美しい銀座の三つ星フレンチでのディナー中。
フルコースを食べ終えた後、急に優吾さんがスタッフの方を呼びつけ、何かを囁いた後に照明が暗くなる。
「紅葉。改めて、誕生日おめでとう」
運ばれてきたのは、花火のような蝋燭が光るデザートプレート。
そして徐に立ち上がった優吾さんが、何かを持って私の横に片膝をつく。
「俺と結婚してほしい。必ず幸せにする」
差し出された大粒のダイヤモンドが煌めく指輪と正式なプロポーズの言葉に驚き、そして感動して言葉が出なかった。
「はいっ……!よろしくお願いしますっ……」
受け取り、それを薬指に嵌めてもらう。いつサイズを調べたのだろう。ぴったり嵌ったその指輪のダイヤモンドの重みに、頬が緩むどころか涙が止まらなかった。
一緒に渡された真っ赤なバラの花束がとても華やかで、両手を広げた優吾さんと抱き合う。
公開プロポーズとなったため、周りの人たちからも祝福してもらい最高の誕生日になった。
そしてその翌週には私の両親へ挨拶をし、その後優吾さんのご両親への挨拶にも向かった。
私の両親にはプロポーズされた日に報告をしていたため、優吾さんを自宅に招くとそれはそれは大袈裟なくらいのもてなしぶりだった。
優吾さんが恐縮しきりで、私も両親の熱の入れように笑うしかなかったけれど、優吾さんが帰り際に「ここまでご両親に愛されてる人と結婚できるのが純粋に嬉しいよ」と言ってくれて、くすぐったい気持ちだった。
優吾さんのご両親は現在は日本国内でEuphoria Resortsの会長業を勤めながらも会社の実権は全て優吾さんに任せているため悠々自適に楽しく暮らしているそう。
お二人は決まった相手もいなく仕事に邁進してばかりの優吾さんをとても心配していたらしく、しかしここ最近の顔色や機嫌が急激に良くなったのを見て、いつのまにか誰かいい人がいたのだろうか!?と予想を膨らませていたらしい。