溺愛結婚は突然に〜ホテル王から注がれる、溢れるほどの愛〜
溺愛結婚



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「紅葉、その中身の整理が終わったら、一旦食事に行こう」


「わかりました」



新たな年が幕を開けた一月下旬。


今日から私は優吾さんと一緒に暮らすべく、引っ越し後の荷解きをしていた。


内見の時にはがらんとしていた家の中はすでにダイニングやローテーブル、ソファにベッドなど大きな家具が入り、これから新生活が始まることを実感する。


実家で使うものもあるだろうから、とほとんどのものを新調してくれたため、私の実家から持ってきたものは服と靴、それから化粧品とスキンケア用品、あとは細々したものくらい。


本当は服や靴も全て新しいものを用意すると言われたものの、それは丁重にお断りした。


キャリーケース一つで足りた私の引っ越しは、荷解きと言ってもただクローゼットにしまったり小物を部屋に置いたりと簡単なものだ。


私のキャリーケースが空になった頃、優吾さんと一緒にレジデンスを出て向かいにあるおしゃれなカフェに入り昼食を摂る。


カルボナーラを口に運びながら今日の夕食のリクエストを聞くと、優吾さんは



「紅葉の作ったものならなんでも嬉しいけど、そうだなあ……和食……角煮なんかいいな」



と味を思い出しているのか目を閉じながら答えた。



「角煮ですね。わかりました。この後スーパーに寄っても良いですか?」


「もちろん。ついでに近所も色々見て回ろう」



食後のコーヒーを飲んだ後、そっと繋がれた手に嬉しさを噛み締めながら歩く道すがら、見つけた気になるお店に立ち寄ってみたり買い物してみたり。


帰りにスーパーに寄って食材を買い込み、自宅に戻る。


圧力鍋で急いで角煮を作ると、副菜に温野菜のサラダとかぼちゃの煮物、茄子の煮浸しも作って食卓に並べる。


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