手紙
私が家を出ると決めた理由、それは自分の知る世界が狭いという事を知ったからです。だから、東京へ行こうと思った。
でも、正直な気持ちは私はいつまでも家へいてはいけないと思っていたからという気持ちもありました。
お母さん、貴方は私よりも兄達のことを愛していましたね?
私は貴方を愛していたし、兄達を愛していました。でも、私も兄達のように貴方に愛されたかった。

東京へ来てすぐ、貴方が来てくれたことを今でもうれしく思います。私のことを心配し、毎週日曜に電話をくれていました。
もしかしたら、私のことを愛してくれているのではとうれしかった。

私たちは、あまり親しい親子ではありませんでしたね。
それでも、私が家を出て離れて暮らすようになってからは、少しいい関係を築けていたと思います。

10年離れて暮らして、私はあなたの大きさを知りました。
私はいい娘ではなかったと思いました。
貴方に苦労をかけ、迷惑を沢山かけたと思います。





私はもう何もしてあげることもできません。
貴方を幸せにする力もありません。
貴方に何か残すこともできません。
それを申し訳なく思います。
それでも、今なら伝えることができます。





私は貴方を愛しています。
私は兄を愛しています。







貴方は私を愛してくれていましたか?



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