夜が明けぬなら、いっそ。




その他の男達は最初、人間には中々懐かない野良猫のように私達へ視線を送っていたが。

今では近藤につられたように笑っていた。



「しっかりしてくれよー、近藤さん!」


「あんたは相変わらずな男だぜ」


「あぁ全くだな!」



なるほど…。

ここが壬生浪士組か。


芹沢 鴨さえ居なければ安定感のある組織のようにも見えた。

近藤だけを筆頭にさえすれば上手く回るのではないかと、なにも知らない中でも思ったり。



「それ食ったらさっさと帰りやがれ」


「トシ!せっかくなんだ、少しゆっくりしてもらっても良いだろう!」


「可哀想な田舎モンの兄弟とやらに寝床を用意して飯まで与えてやったんだ。十分ゆっくりしてんだろうが」



土方という男は近藤より相変わらずだ。

見た目に寄らず堅物、一番懐かない野良猫はこいつなんだろうと。



「ここは前川邸と八木邸に分かれていてな。向こうには芹沢さんがいるんだ」


「へぇ、離れてて良かったでしょう。そこは」


「はは、まぁ、なんというかな」



既に打ち解けてしまった景秀と近藤。

こいつらも江戸の出だと言うし、景秀とは同郷ということもあって話が合うみたいだ。



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