オトメは温和に愛されたい
「お前は何もしなくていい」
――初めてで、どうしたらいいのか分からないの。
そう言おうとしたら、先んじて温和に気を回す必要はないと言われてしまった。
「あ、あの……でも」
それでも不安で言葉を重ねようとした私に、温和が「いい加減、黙れよ」って唇を重ねてきて――。
私は頭の中がぐるぐるしてしまう。
「はぁ、んっ」
温和の唇がほんの少し離れるたびに、一生懸命息継ぎをして、酸欠にならないようにするだけで精一杯の私と、私の反応を見ながら絶妙のタイミングで私に息継ぎをさせてくれる温和。
温和は、私と違って初めてじゃない。
大学生の頃、温和が取っ替え引っ替え彼女を変えていたことを、私、知ってるの。
その時にもすごく悲しかったけれど、こんな風に実感させられると、何だかすごく悔しくて。
温和の初めての相手は誰だったんだろう。
そんなことを思っていたら「この状況でよそごと考えられるとか、結構余裕だな」って睨まれた。
「なっ……」
そんなことないと言いたいのに、口を開こうとした矢先、温和の指がシャツワンピのボタンにかかったのに気がついて、私は慌てて彼の手を押さえる。
「あ、あのっ」
温和となら……って思ったくせに、いざ服を脱がされそうになると、途端怖気付いてしまう。
――初めてで、どうしたらいいのか分からないの。
そう言おうとしたら、先んじて温和に気を回す必要はないと言われてしまった。
「あ、あの……でも」
それでも不安で言葉を重ねようとした私に、温和が「いい加減、黙れよ」って唇を重ねてきて――。
私は頭の中がぐるぐるしてしまう。
「はぁ、んっ」
温和の唇がほんの少し離れるたびに、一生懸命息継ぎをして、酸欠にならないようにするだけで精一杯の私と、私の反応を見ながら絶妙のタイミングで私に息継ぎをさせてくれる温和。
温和は、私と違って初めてじゃない。
大学生の頃、温和が取っ替え引っ替え彼女を変えていたことを、私、知ってるの。
その時にもすごく悲しかったけれど、こんな風に実感させられると、何だかすごく悔しくて。
温和の初めての相手は誰だったんだろう。
そんなことを思っていたら「この状況でよそごと考えられるとか、結構余裕だな」って睨まれた。
「なっ……」
そんなことないと言いたいのに、口を開こうとした矢先、温和の指がシャツワンピのボタンにかかったのに気がついて、私は慌てて彼の手を押さえる。
「あ、あのっ」
温和となら……って思ったくせに、いざ服を脱がされそうになると、途端怖気付いてしまう。