オトメは温和に愛されたい
音芽(おとめ)、――ここ、気持ちいい?」

 温和(はるまさ)が私の反応をひとつずつ確認するみたいに、胸の敏感なところを指先でもてあそびながら聞いてくるの。

 私はそのたびにゾクゾクとした快感が背中を這い上がってきて、懸命に我慢しているのに小さく声が漏れてしまう。

「あ、……んっ、はるま、さぁっ。ダメっ」

 一向にそこへの刺激をやめてくれそうにない温和(はるまさ)へ、意を決してそう言ったら「ダメじゃなくて、“もっと”だろ?」って言うの。

 まるで私にそのことを認識させるみたいに、固く張り詰めた胸の突起をギュッとつまむようにこねられて、堪らず身体をのけ反らせてしまう。

「ひゃっ、あ……っ」

 瞬間、下腹部がジュン……と疼いたのが分かって、何も身につけていないそこからトロリと蜜があふれ出した。

 嫌だ、恥ずかしいっ。
 初めての癖にこんな……っ。

 温和(はるまさ)に気付かれたらどうしよう。
 
 そう思った私は、咄嗟に両足をギュッと擦り合わせるようにして閉じる――。

 そんな私の動きを、温和(はるまさ)が見逃すはず、なかったよね。

音芽(おとめ)……。お前、その反応……凶悪すぎんだろ……っ」

 言葉と同時に性急に膝を割り開かされた私は、クチュッと濡れた音を立てて、温和(はるまさ)の指が秘部に触れたのを感じた。

「や、……んっ!!」

 恥ずかしさと恐怖で身じろいだ私に、温和(はるまさ)がその《《ぬめり》》を確かめるように、裂け目に沿って指先を前後させるの。

「俺が触ったから……こんなになってるんだろ?」
 
 温和(はるまさ)の言葉に真っ赤になってうつむいたら、
「――だったら、隠すな。全部俺に見せろよ」
 って……。

 そんな命令、反則だよ。

 私は温和(はるまさ)の求めに応じるように、内腿(うちもも)に込めていた力を、ほんの少しだけ、抜いた。 
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