オトメは温和に愛されたい
 恥ずかしくて思わずギュッと目をつぶったら

「俺がお前にすること、全部見とけって言っただろ?」

 言われて、温和(はるまさ)膝裏(ひざうら)を抱え上げられる。
 恐る恐る開いた視線の先、濡れた秘部に温和(はるまさ)のものが当てがわれるのが見えた。

「一気に挿入(いれ)るぞ」

 温和(はるまさ)が低く掠れた声でそう言ったのと、
「……――ひゃあっ!」
 身体を引き裂かれるような痛みが走ったのとがほぼ同時で。

 少し遅れて、温和(はるまさ)に貫かれたんだと思考が追いついたけれど、私は余りの痛みに声を失って、ただただ身体を強張らせるしかできなかった。

「……音芽(おとめ)、息止めん、なっ」

 私をギュッと抱きしめると、温和(はるまさ)が、自身も息を詰めたような苦しそうな声音でそう言うの。

「息止めたら……力、入りすぎてお前、しんどい……だろ?」

 温和(はるまさ)の方こそ十分辛そうに吐息まじりで告げられる言葉に、私は何とかしてあげたいと思うのにダメで。

「っ、や、……ごめ、なさっ、力抜くとか……――無、理っ」

 温和(はるまさ)にしがみついてそう言ったら、チッと舌打ちとともに引き剥がされて、唇を塞がれた。

「……んっ」
 喘ぐように開いた口の隙間から、温和(はるまさ)に舌を入れられて、ヌルリとした感触が口中を這い回る。

 下腹部の痛みと、温和(はるまさ)に口の中を舐めまわされる心地よさとがせめぎ合って。

「んっ、あ、は……ぁっ」

 キスの合間を縫うように一生懸命息をつぐ私の胸を、温和(はるまさ)がやんわりと揉みしだき始める。

 膨らみ全体を覆うように這わされた手が、狙いすましたように先端を(かす)めたとき、ビリッと電流が流れたような錯覚を覚えて、下腹部にキュッと力がこもった。

「っ、ちょ、バカっ、締める、なっ」
 途端温和(はるまさ)が苦しそうに吐息を吐いて。
 私は彼の声と、その表情にゾクッとする。

温和(はるまさ)も、気持ち、い?」

 問いかける間も温和(はるまさ)を飲み込んだままのそこがキュンキュン疼いて……。

 私は温和(はるまさ)と繋がっているのだと実感して、苦しいくらい嬉しくて切なくなる。

「……っ、()すぎなんだよ……っ、――バカ音芽(おとめ)……!」
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