オトメは温和に愛されたい
鶴見先生、車がダメになるほどの大きな事故だったらしいのだけど、本人の怪我自体は左腕と左足の骨折だけ。
もちろん大怪我ではあるけれど、命に別状はなかったとお聞きして、不謹慎だけど……私はほんの少し肩の力が抜けた。
それにしても――。
やはり私たちと別れた後の帰りの道で怪我をなさったのは確かみたいで……。
そう思うと、居たたまれない気持ちになる。
「――情けないんですけど……何か私もパニックになってしまって……」
逢地先生はそこまで言うと、視線をふいっと私から温和に移した。
そうして、
「霧島先生にもお休みの日に何度も電話してしまって……。ホント、すみませんでしたっ」
恥ずかしそうに紅潮した顔をしてそう、おっしゃった。
「いや、俺もすぐに電話を取れませんでしたし、不安な思いをさせてしまいました……。申し訳ない」
私が温和のほうを見つめているの、気付いているはずなのに。
彼は敢えて私のほうを見ないで言葉を紡いでいるように見えて。
そんな温和の横顔をぼんやりと眺めながら、昨日のあの執拗なまでの逢地先生からの電話は、そういうことだったのかな、って思った。
でも、なんで……温和に?
もちろん大怪我ではあるけれど、命に別状はなかったとお聞きして、不謹慎だけど……私はほんの少し肩の力が抜けた。
それにしても――。
やはり私たちと別れた後の帰りの道で怪我をなさったのは確かみたいで……。
そう思うと、居たたまれない気持ちになる。
「――情けないんですけど……何か私もパニックになってしまって……」
逢地先生はそこまで言うと、視線をふいっと私から温和に移した。
そうして、
「霧島先生にもお休みの日に何度も電話してしまって……。ホント、すみませんでしたっ」
恥ずかしそうに紅潮した顔をしてそう、おっしゃった。
「いや、俺もすぐに電話を取れませんでしたし、不安な思いをさせてしまいました……。申し訳ない」
私が温和のほうを見つめているの、気付いているはずなのに。
彼は敢えて私のほうを見ないで言葉を紡いでいるように見えて。
そんな温和の横顔をぼんやりと眺めながら、昨日のあの執拗なまでの逢地先生からの電話は、そういうことだったのかな、って思った。
でも、なんで……温和に?