オトメは温和に愛されたい
私が温和と付き合えることになって浮かれている間、鶴見先生は――。
何もかもが私のせいに思えてきて、鼻の奥がツンとしてしまう。泣いちゃダメ、と思った私は慌てて奥歯を噛み締めて耐えた。
でも……、やばい。気を抜いたら泣いてしまいそう。
そうこうしているうちに、朝礼が終わって各々自分の持ち場へ向けて分散し始めて。
私も早く2年2組の教室へ行かないと!
涙を堪えながらうつむき加減で仕度をしていたら、「音芽」と小声で温和に声をかけられた。
それは、すぐ横に立っているから辛うじて拾えた程度の小さな声だったけれど、職員室で下の名前で呼ばれたことに、ドキッとして肩が跳ねてしまう。
職場で名前呼びなんて……いつもの温和だったら絶対にしないことだ。
「お前のことだから鶴見のこと、自分のせいじゃないかって気にしてるんだろ」
目線で、準備が整ったら歩きながら話すぞ、と促されて、私は慌てて出席簿や教書、チョークケースなどを抱える。
数歩先を歩く温和につき従う形で小走りに職員室を出たら、速度を落とした温和が私の横に並んだ。
何もかもが私のせいに思えてきて、鼻の奥がツンとしてしまう。泣いちゃダメ、と思った私は慌てて奥歯を噛み締めて耐えた。
でも……、やばい。気を抜いたら泣いてしまいそう。
そうこうしているうちに、朝礼が終わって各々自分の持ち場へ向けて分散し始めて。
私も早く2年2組の教室へ行かないと!
涙を堪えながらうつむき加減で仕度をしていたら、「音芽」と小声で温和に声をかけられた。
それは、すぐ横に立っているから辛うじて拾えた程度の小さな声だったけれど、職員室で下の名前で呼ばれたことに、ドキッとして肩が跳ねてしまう。
職場で名前呼びなんて……いつもの温和だったら絶対にしないことだ。
「お前のことだから鶴見のこと、自分のせいじゃないかって気にしてるんだろ」
目線で、準備が整ったら歩きながら話すぞ、と促されて、私は慌てて出席簿や教書、チョークケースなどを抱える。
数歩先を歩く温和につき従う形で小走りに職員室を出たら、速度を落とした温和が私の横に並んだ。