オトメは温和に愛されたい
じっと見上げてみるけれど、彼の表情は読み取れなくて、そのことに緊張した私は、手指をギュッと握り締めた。
温和の顔、見えないけど長い付き合いだから分かる。これ、温和いま、絶対機嫌悪い。
私は小さく生唾を飲み込んだ。
でもでも今回だけは……何を言われても私にだって、温和に言い返せるちゃんとした理由があるんだからっ!
そう思っていたのに……。
「あの口ぶりからすると……お前、俺が川越先生と何かあると思ったってことだよな?」
温和にじっと見下ろされて、私はグッと言葉に詰まった。
無論その通りだったし、実際今でもそう思っているって言ったら、温和はどういう反応をするんだろう。
さっき佳乃花にも私の大好きな温和は本当にそんな人なの?って聞かれて否定したばかりなのに結局はこれ。本当情けない。
「でっ、でもっ温和っ。私が同じことやったら……」
ギュッと拳を握り締めて真っ直ぐに温和を見上げたら、彼がふいっと視線を逸らした。
いつもの温和なら「そんなの許すわけねぇだろ」とか即答してくるところだ。
そう思ったら、彼は彼なりに色々考えているのかなって思った。
ややして、
「……それは……絶対許せないと……思うし……させないように邪魔すると……思う」
温和にしては歯切れ悪くそう言ってから、はぁっと小さく溜め息をついた。
温和の顔、見えないけど長い付き合いだから分かる。これ、温和いま、絶対機嫌悪い。
私は小さく生唾を飲み込んだ。
でもでも今回だけは……何を言われても私にだって、温和に言い返せるちゃんとした理由があるんだからっ!
そう思っていたのに……。
「あの口ぶりからすると……お前、俺が川越先生と何かあると思ったってことだよな?」
温和にじっと見下ろされて、私はグッと言葉に詰まった。
無論その通りだったし、実際今でもそう思っているって言ったら、温和はどういう反応をするんだろう。
さっき佳乃花にも私の大好きな温和は本当にそんな人なの?って聞かれて否定したばかりなのに結局はこれ。本当情けない。
「でっ、でもっ温和っ。私が同じことやったら……」
ギュッと拳を握り締めて真っ直ぐに温和を見上げたら、彼がふいっと視線を逸らした。
いつもの温和なら「そんなの許すわけねぇだろ」とか即答してくるところだ。
そう思ったら、彼は彼なりに色々考えているのかなって思った。
ややして、
「……それは……絶対許せないと……思うし……させないように邪魔すると……思う」
温和にしては歯切れ悪くそう言ってから、はぁっと小さく溜め息をついた。