オトメは温和に愛されたい
ふいっと逸らされた川越先生の目尻に、薄っすらと涙が浮かんでいるように見えたのは気のせい……かな?
「でも、私、あきらめ悪いわよ? 音芽ちゃん」
教室を出て行き際にふと立ち止まった川越先生が、こちらを振り返らずにそうおっしゃって。
私はそんな彼女に、
「大丈夫です。何度いらしても、今の私はちゃんとお断り出来ます」
温和の手をギュッと握ってそう言い返せた。
だからね、温和。
もう今、この時から!
私を守るために川越先生のことを監視する必要はなくなったし……何だったら今からすぐにでも! 一緒に……帰れるよ?
さっきのキスの続きがしたいって思ってるの、私だけじゃ、ないよ、ね?
ファーストキスが温和じゃなかったと思い出してしまったのは、正直私にとってすごくションボリすることだったけど。
でも、過去は変えられないから。
だからそれを忘れるくらい沢山沢山、私にキスをしてください。
お願い、温和。
過去に一瞬引きずられかけて震えそうになった足にグッと力を入れると、私は温和にニコッと微笑みかけた。
「でも、私、あきらめ悪いわよ? 音芽ちゃん」
教室を出て行き際にふと立ち止まった川越先生が、こちらを振り返らずにそうおっしゃって。
私はそんな彼女に、
「大丈夫です。何度いらしても、今の私はちゃんとお断り出来ます」
温和の手をギュッと握ってそう言い返せた。
だからね、温和。
もう今、この時から!
私を守るために川越先生のことを監視する必要はなくなったし……何だったら今からすぐにでも! 一緒に……帰れるよ?
さっきのキスの続きがしたいって思ってるの、私だけじゃ、ないよ、ね?
ファーストキスが温和じゃなかったと思い出してしまったのは、正直私にとってすごくションボリすることだったけど。
でも、過去は変えられないから。
だからそれを忘れるくらい沢山沢山、私にキスをしてください。
お願い、温和。
過去に一瞬引きずられかけて震えそうになった足にグッと力を入れると、私は温和にニコッと微笑みかけた。