オトメは温和に愛されたい
*俺がお前の
「一緒に帰れるの、やっぱり嬉しいねー」
シートベルトを締めながら助手席でニコニコしてそう言ったら、しれっとそっぽを向いた温和に、「バカ音芽、はしゃぎすぎだろ」って照れられてしまった。
こちらを見ようとしない温和の耳が赤く染まっているのを見て、ニヤニヤが止まらない。
温和の、こういう素直じゃないところも分かってくると可愛くて、悶えるくらい大好きっ!って思ってしまう。
「温和、ずっと私を守ってくれていて有難う。それから――色々背負わせてしまって……ごめんなさい」
川越先生にかき乱されて本当にしんどかったのは、日数にしたらたったの2日。
それでも私にとっては高校時代からのトラウマとの決別にもなってしまったから、もっともっと長い時間に思えたの。
今回、何より辛かったのは、大好きな温和が心変わりをしてしまったんじゃないかと不安で堪らなくなってしまったこと。
佳乃花に霧島先輩はそんな人じゃないでしょう?って諭されても尚、心の片隅で猜疑心を拭いきれなかったのは、私の弱さゆえだと思う。
温和は、ずっとずっと私のことだけを考えて動いてくれていたのに。
そう思ったら申し訳なくてギュッと胸が苦しくなった。
私は忘れてしまっていてしんどかったけれど、すべてを覚えていた温和の方が、実はもっともっと苦しくてもどかしい時間を過ごしたんじゃないかなって思う。
温和は高校生の時、自分が問い詰めたことで私がパニックになってしまったのを覚えていたんだと思うから。
だから川越先生が臨時で赴任してくるって知ったとき、私に過去を思い出させまいと必死になってくれたんだろうな。
シートベルトを締めながら助手席でニコニコしてそう言ったら、しれっとそっぽを向いた温和に、「バカ音芽、はしゃぎすぎだろ」って照れられてしまった。
こちらを見ようとしない温和の耳が赤く染まっているのを見て、ニヤニヤが止まらない。
温和の、こういう素直じゃないところも分かってくると可愛くて、悶えるくらい大好きっ!って思ってしまう。
「温和、ずっと私を守ってくれていて有難う。それから――色々背負わせてしまって……ごめんなさい」
川越先生にかき乱されて本当にしんどかったのは、日数にしたらたったの2日。
それでも私にとっては高校時代からのトラウマとの決別にもなってしまったから、もっともっと長い時間に思えたの。
今回、何より辛かったのは、大好きな温和が心変わりをしてしまったんじゃないかと不安で堪らなくなってしまったこと。
佳乃花に霧島先輩はそんな人じゃないでしょう?って諭されても尚、心の片隅で猜疑心を拭いきれなかったのは、私の弱さゆえだと思う。
温和は、ずっとずっと私のことだけを考えて動いてくれていたのに。
そう思ったら申し訳なくてギュッと胸が苦しくなった。
私は忘れてしまっていてしんどかったけれど、すべてを覚えていた温和の方が、実はもっともっと苦しくてもどかしい時間を過ごしたんじゃないかなって思う。
温和は高校生の時、自分が問い詰めたことで私がパニックになってしまったのを覚えていたんだと思うから。
だから川越先生が臨時で赴任してくるって知ったとき、私に過去を思い出させまいと必死になってくれたんだろうな。