オトメは温和に愛されたい
「ひ、ゃあぁ、……んっ」

 温和(はるまさ)をすんなり受け入れるためにも、そこへ力を入れてはいけないと思うのに、どうしても慣れない違和感にギュッと身体を固くしてしまう。

 そのせいで温和(はるまさ)が眉根を寄せたのが分かって、申し訳なさに泣きたくなった。

「……バーカ。俺、ちゃんと気持ち、い、からっ。そんな泣きそうな顔、すんな」

 温和(はるまさ)が私を撫でながらそう言ってくれる。
 こんな時でも、温和(はるまさ)は私の感情の機微を見逃さないでいてくれる。
 それが凄く嬉しくて切なくて、もっともっと温和(はるまさ)と深く繋がりたいって思ってしまう。

 その想いを汲んでくれたみたいに温和(はるまさ)が一度浅めに引き抜いたそれを、もう一度ゆっくりと、さっきよりも深く深く沈めてくれる。

「んんっ、」

 温和(はるまさ)がゆっくりと抜き差しするのに合わせて、私の内側が彼を離すまいと(うごめ)くのが自分でも分かって。

 それが苦しいのに気持ち良くて。
 温和(はるまさ)は今、私の中にいるんだって実感できるのが、すごくすごく幸せで。

「は、るま、さぁっ、……っ、大、好……きっ」

 どんな恥ずかしい目に遭わされても、温和(はるまさ)が与えてくれるものは全て私にとっては幸福を誘う極上の刺激(エッセンス)なの。

「俺も、愛して、る」

 温和(はるまさ)がそれに応えてくれたのが嬉しくて、ギュッと内壁が彼を封じるように(せば)まるようで。

 慣れない部分を無理矢理こじ開けられて征服されるのも、相手が温和(はるまさ)だと思うだけで、もっともっと私をいじめて欲しいとさえ思ってしまう。

音芽(おとめ)ん中っ、今、すげぇウネってる。自分でも……分かる?」

 温和(はるまさ)が問い掛けてくるのへ、私は小さくうなずいた。

 ねえ、温和(はるまさ)
 私がそんなふうにみだらに反応してしまうのは……愛する貴方が相手だから、だよ?
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