オトメは温和に愛されたい
「勝手にオーブンとアルミホイル使わせてもらっちゃった」
事後報告でごめんねって、問題なしだよ。っていうか逆に
「ありがとう。言ってくれたらやったのに」
言いながら、そういえば一路、炙りたらこが好きだったもんね、とニンマリしてしまう。
何だかんだ言って、佳乃花と一路はラブラブだ。
「――僕たちは……まぁ付き合いも長いですし……その……同棲もしてるんで。一応お互いの親には結婚するつもりでそういうことをしてるって話は通してあります」
一路が佳乃花をチラチラと気にしながら、さっきの温和からの質問に答えてくれる。
「え!? 結婚!? そうなの!?」
いずれそうなるんだろうな、とは思っていたけれど、具体的に2人がそんな話をしているなんて思っていなくて、私はびっくりしてしまった。
「それは……婚約してる、ってことか? 朝日さん、別に指輪はしてねぇみたいだけど――」
って温和さん、やけにグイグイきますね!?
私が言いたかったセリフを横からさらわれてしまって、私、若干不完全燃焼です。
「あ、それはっ」
佳乃花がソワソワとして……自分のすぐ横に置いていたハンドバッグから小さなケースを取り出しながら真っ赤になる。
「も、もらってはいるんですけど……付けてたら傷がつきそうで怖くって――」
「気にしなくていいって言うのに、付けてくれないんです」
佳乃花のセリフをさえぎるように、一路が不満げな声を上げた。
「もぉー、佳乃花ぁ〜。それはちゃんと付けて婚約者います!アピールしなきゃー! 一路が不安がるって〜」
思わず身を乗り出してそう言ったら――。
「じゃあ、お前は……渡されたら付けるってことだな?」
って、静かな声音が響いた。
事後報告でごめんねって、問題なしだよ。っていうか逆に
「ありがとう。言ってくれたらやったのに」
言いながら、そういえば一路、炙りたらこが好きだったもんね、とニンマリしてしまう。
何だかんだ言って、佳乃花と一路はラブラブだ。
「――僕たちは……まぁ付き合いも長いですし……その……同棲もしてるんで。一応お互いの親には結婚するつもりでそういうことをしてるって話は通してあります」
一路が佳乃花をチラチラと気にしながら、さっきの温和からの質問に答えてくれる。
「え!? 結婚!? そうなの!?」
いずれそうなるんだろうな、とは思っていたけれど、具体的に2人がそんな話をしているなんて思っていなくて、私はびっくりしてしまった。
「それは……婚約してる、ってことか? 朝日さん、別に指輪はしてねぇみたいだけど――」
って温和さん、やけにグイグイきますね!?
私が言いたかったセリフを横からさらわれてしまって、私、若干不完全燃焼です。
「あ、それはっ」
佳乃花がソワソワとして……自分のすぐ横に置いていたハンドバッグから小さなケースを取り出しながら真っ赤になる。
「も、もらってはいるんですけど……付けてたら傷がつきそうで怖くって――」
「気にしなくていいって言うのに、付けてくれないんです」
佳乃花のセリフをさえぎるように、一路が不満げな声を上げた。
「もぉー、佳乃花ぁ〜。それはちゃんと付けて婚約者います!アピールしなきゃー! 一路が不安がるって〜」
思わず身を乗り出してそう言ったら――。
「じゃあ、お前は……渡されたら付けるってことだな?」
って、静かな声音が響いた。