オトメは温和に愛されたい
***
2人が行ってしまうと、すかさず温和が後ろからギュッと抱きついてきて、私はドキッとしてしまう。
「あ、あの……温和、まだ鍵……」
言ったら、抱きしめられたままほんの数歩前に歩かされて、背後から伸びてきた手にガチャリと施錠されてしまう。
今、扉が閉まったばかりで、もしかしたらすぐそこに佳乃花も一路もいるかもしれないのに。
「な、音芽、さっきの返事、聞かせろよ」
そう思うのに、温和に熱っぽい声で耳許に声を吹き込まれると、そういうのが全部ポンッと飛んでいってしまう。
「あ、あの……えっと……はる、まさ? まだ……その……後片付けとかしてない……よ?」
温和が求めているのはこんな言葉じゃないのは重々承知しているくせに。ついリビングの散らかり様が気になってしまってそう言ってしまった。
もちろんそんなの、言ったって意味のないことだって私自身分かってる。
「後でいいだろ、そんなの」
明日は休みなんだから。
案の定熱い吐息と共に甘えたような声音でささやかれて、私は抵抗する気力を全て奪われてしまった。
2人が行ってしまうと、すかさず温和が後ろからギュッと抱きついてきて、私はドキッとしてしまう。
「あ、あの……温和、まだ鍵……」
言ったら、抱きしめられたままほんの数歩前に歩かされて、背後から伸びてきた手にガチャリと施錠されてしまう。
今、扉が閉まったばかりで、もしかしたらすぐそこに佳乃花も一路もいるかもしれないのに。
「な、音芽、さっきの返事、聞かせろよ」
そう思うのに、温和に熱っぽい声で耳許に声を吹き込まれると、そういうのが全部ポンッと飛んでいってしまう。
「あ、あの……えっと……はる、まさ? まだ……その……後片付けとかしてない……よ?」
温和が求めているのはこんな言葉じゃないのは重々承知しているくせに。ついリビングの散らかり様が気になってしまってそう言ってしまった。
もちろんそんなの、言ったって意味のないことだって私自身分かってる。
「後でいいだろ、そんなの」
明日は休みなんだから。
案の定熱い吐息と共に甘えたような声音でささやかれて、私は抵抗する気力を全て奪われてしまった。