オトメは温和に愛されたい
音芽(おとめ)、何でそんなに声、押し殺すんだよ」

 温和(はるまさ)に後ろから抱き抱えられるように足を割り開かされた恥ずかしい格好のまま、背後から伸びてきた温和(はるまさ)の左手に唇の端まで割られてしまう。
 当然の様にその隙間から指先を口中に差し込まれて、私は戸惑ってしまう。
 温和(はるまさ)に噛み付くわけにはいかないので自然口が開いた。

「音芽。そのまま俺にお前のいい声、聞かせろよ」

 言われて、答えに詰まっている間に大きく膝を立てるようにして座らされた足の間を、温和(はるまさ)の指が再び這い始めて。

「んっ、ゃあっ」

 その感触にゾクゾクして、開かされたままの口の端から艶めいた声が漏れてしまう。

 下肢のほうでは、下着越しに触れていただけだった温和(はるまさ)の指が、クロッチのサイドを横にずらすようにして秘部に直接触れてきて。

「ひゃ、っあ、っん」

 背中には、先ほど触れさせられた温和(はるまさ)の熱を押し上てられた状態で、自分自身も彼からとても敏感なところに愛撫を受け続ける。

 考えただけで顔から火が出そうなぐらい淫らでエッチで恥ずかしくて、どうにかなってしまいそう。

 なのに恥じらえば恥じらうほど、身体は熱を持つようで温和(はるまさ)から与えらえる刺激に貪欲に反応するの。

「あ、やぁ……っ、はるま、さっ、恥ずかし、ぃのっ」
< 306 / 433 >

この作品をシェア

pagetop