オトメは温和に愛されたい
「あ、あの……温和(はるまさ)さん……。そ、その……えっと……あ、当たって、ます……」

 温和(はるまさ)は、私を両腿(りょうもも)の上に乗せるようにして横抱きにしてくれている。

 当然脇腹の辺りに温和(はるまさ)の大事なところが当たっているわけで……。

 ギュッと身体を縮こまらせながら真っ赤になって小声でゴニョゴニョとそのことを告げたら、クスッと笑われた。

「俺もお前も裸なんだから当たり前だろ」

 むしろ当たらないようにしようと思ったら股の間にそれを挟まないといけなくなるとか何とか言って、

半勃(はんだ)ちでそれやったら拷問だわ……」

 って私の鼻をつまんでくるとか。
 温和(はるまさ)さん、はっ、恥じらいがどこかに飛んでって行方不明になってますっ!


「あ、あのっ、でも……っ、何でこんな……状況(こと)に?」

 私の記憶では温和(はるまさ)とベッドにいて、とっても恥ずかしくて蕩けるように気持ちいいことをしていたはずなんだけど。

 いつの間にその舞台がお風呂に移動してしまったの?

「お前、()ったと同時に気ぃ失ったんだよ」

 ギュッと中が締まったと思ったら、パタッと倒れて動かなくなってしまったんだとか。

 そんな私に、温和(はるまさ)はかなり焦ったと話してくれた。

 無理させすぎて私の身に何か起こったんじゃないかと心配してくれたらしい。

「なのにさぁ、お前ときたら俺の心配をよそに気持ちよさげに寝息立て始めて」

 身体中汗とその他もろもろの体液に(まみ)れて眠る私は、そりゃあもう色っぽかった、と温和(はるまさ)が言って、わざとらしくニヤリとする。
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