オトメは温和に愛されたい
サプライズ、成功?
「音芽。俺、回りくどいの苦手だから単刀直入に聞くな? サプライズ感とか抜きになっちまうから色気ねぇって思ったらすまん」
お風呂上がり。
温和が私の髪をドライヤーで乾かしてくれて――自分でできるって言ったのにさせろって聞いてくれなかった――、散らかりっぱなしになっていた部屋を2人で片付ける。
私が洗ったお皿を温和が布巾で拭いてくれるの、何だか新婚さんみたいで幸せだなって思っていたら、作業する手を止めないままに温和が言った。
だから私も大した話じゃないと思ったの。
だってかしこまった雰囲気じゃなかったし。
「ん〜? なんの話?」
お皿を洗いながら温和の方へちらりと視線を投げかけてのほほんと問いかけたら、「――結婚しないか?」って温和が言うの……。
「へぇ〜。結婚かぁ〜……」
私、一瞬温和が何を言ったのか分からなくて、聞き流してしまいそうになった。
それから彼が言った言葉を改めて吟味して……「ん!?」ってなって動きが止まってしまった。
お皿の泡を流すために出していた水道の水音だけが、ジャーッてやけに大きく聞こえて。
「あ、え? ん? ……って、えーーーっ!?」
ちょっと待って、ちょっと待って!
い、今のって、……もしかして……いや、もしかしなくても……プロポーズ!?
でも私の中にあるイメージとはかけ離れすぎていて……何だかちっともピンとこなかった。
お姫様にして欲しいなんて言うつもりはないけれど、あれって……指輪とか見せられてロマンティックなムードの中、「俺と結婚してください」ってなるものなんじゃない……の?
少なくともこんな風に2人してルームウェアを着てくつろいで、お皿なんて洗いながら聞かされるものじゃ……ない、よ……ね?
お風呂上がり。
温和が私の髪をドライヤーで乾かしてくれて――自分でできるって言ったのにさせろって聞いてくれなかった――、散らかりっぱなしになっていた部屋を2人で片付ける。
私が洗ったお皿を温和が布巾で拭いてくれるの、何だか新婚さんみたいで幸せだなって思っていたら、作業する手を止めないままに温和が言った。
だから私も大した話じゃないと思ったの。
だってかしこまった雰囲気じゃなかったし。
「ん〜? なんの話?」
お皿を洗いながら温和の方へちらりと視線を投げかけてのほほんと問いかけたら、「――結婚しないか?」って温和が言うの……。
「へぇ〜。結婚かぁ〜……」
私、一瞬温和が何を言ったのか分からなくて、聞き流してしまいそうになった。
それから彼が言った言葉を改めて吟味して……「ん!?」ってなって動きが止まってしまった。
お皿の泡を流すために出していた水道の水音だけが、ジャーッてやけに大きく聞こえて。
「あ、え? ん? ……って、えーーーっ!?」
ちょっと待って、ちょっと待って!
い、今のって、……もしかして……いや、もしかしなくても……プロポーズ!?
でも私の中にあるイメージとはかけ離れすぎていて……何だかちっともピンとこなかった。
お姫様にして欲しいなんて言うつもりはないけれど、あれって……指輪とか見せられてロマンティックなムードの中、「俺と結婚してください」ってなるものなんじゃない……の?
少なくともこんな風に2人してルームウェアを着てくつろいで、お皿なんて洗いながら聞かされるものじゃ……ない、よ……ね?