オトメは温和に愛されたい
「――で、音芽。返事は?」
ムスッとした顔で聞いてくるのは、温和が照れている証拠。
「そんなの……今更じゃない。私、小さい頃にもちゃんと返事してるよ?」
クスッと笑って温和を見つめたら、赤い顔をして目をそらされた。
やだ、温和。可愛いっ。
***
「――でもね温和さん。ひとつだけ困った事があるのです」
わざと仰々しくそう言って、左手を温和の前にさし出す。
「子供の頃にもらった花の指輪はことごとく枯れてなくなってしまいました。見たところナットも用意されていないようです。私、温和にプロポーズされたら、絶対ココに目印が欲しいのに……用意されていないみたいなんですが?」
指輪を準備してプロポーズに臨まないところが、何だかひねくれ者の温和らしくて憎めないなって思ってしまう。
でも、ちゃんとくれる、よね?
佳乃花たちの幸せそうな話を聞いて、温和、私に聞いてくれたものね?
指輪をもらったら音芽はつけるんだな?って。
ムスッとした顔で聞いてくるのは、温和が照れている証拠。
「そんなの……今更じゃない。私、小さい頃にもちゃんと返事してるよ?」
クスッと笑って温和を見つめたら、赤い顔をして目をそらされた。
やだ、温和。可愛いっ。
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「――でもね温和さん。ひとつだけ困った事があるのです」
わざと仰々しくそう言って、左手を温和の前にさし出す。
「子供の頃にもらった花の指輪はことごとく枯れてなくなってしまいました。見たところナットも用意されていないようです。私、温和にプロポーズされたら、絶対ココに目印が欲しいのに……用意されていないみたいなんですが?」
指輪を準備してプロポーズに臨まないところが、何だかひねくれ者の温和らしくて憎めないなって思ってしまう。
でも、ちゃんとくれる、よね?
佳乃花たちの幸せそうな話を聞いて、温和、私に聞いてくれたものね?
指輪をもらったら音芽はつけるんだな?って。