オトメは温和に愛されたい
 温和(はるまさ)って時々こんな風に大雑把で男性なんだなぁって実感させられる時がある。

 それを体現するように、自分の指のサイズなんて知らないっていう温和(はるまさ)の指をリングスケールで計測してもらったら、17号だった。
 当たり前だけど10も大きさに隔たりがあると、私のと全然大きさが違っていて驚いてしまった。

「俺のリングの中にお前の、すっぽりハマるな」

 温和(はるまさ)が感心したように言うのを聞いて、リングを並べただけでも、自分が温和(はるまさ)に包み込まれて守られているような、そんな錯覚を覚えてドキドキしてしまう。

 店員さんの話によると、私は薬指のサイズが女性の平均よりほんの少し細めなんだそうで、温和(はるまさ)のほうは男性としては平均サイズなんだとか。

 私、自分の指が華奢だと思ったことはなかったけれど、指輪のサイズの話を聞いて、温和(はるまさ)が私の手を掴んで「細いし、ホントちっこい」って感慨深そうにつぶやいた意味が分かった気がした。

 お会計は婚約指輪も兼ねてるんだから、と温和(はるまさ)が出すと聞いてくれなくて。
 私、婚約指輪は要らないと彼にわがままを言ったこともあって、そこは温和(はるまさ)の顔を立てることにしてすごすごと引き下がったの。

 そればかりか――。
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