オトメは温和に愛されたい
結婚指輪のこともあるし、
「だったら私、自分で買う!」
って言ったら、物凄く怒られてしまった。「お前が自分で買ったら意味ねぇだろーが!」って。
そりゃ〜確かにそうなんだけど……。
「温和、もうこういうのはこれっきりにしてね?」
ソワソワしながらそう言ったら「無理だな」って即答された。
「鶴見ん時にしても川越ん時にしても、俺がどんだけヤキモキしたかお前、分かってねぇんだよ」
って睨まれて、私はその迫力にたじたじになってしまった。
「私、そんなに危なっかしい?」
恐る恐る聞いたら「自覚ねぇのが余計タチ悪ぃんだわ」って溜め息をつかれた。
でも……温和だってかっこいいから、私もいつも気が気じゃないんだけどな。
温和は背も高いし、基本物腰柔らかだから物凄くモテる。
でもそれを言ったら、「だからペアリング買おうって言ったんだろ」って言われるのが落ちなので、恨めしげにチラチラ彼を見るだけに留めておいたの。
***
「――ちょっと電話してくるな」
ひとしきり私の指にはまった指輪を堪能してから、温和がそう言って立ち上がって。
私はやっと手を解放されてホッとする。
それにしてもどこに電話かけるんだろう?
一緒にいる時にわざわざ温和がどこかへ電話をすることなんてなかったから、不思議に思った。
でも私、すごくすごく疲れていたんだろうな。
ふわふわなソファの背もたれにすがって、ほんの少しだけ……って目をつぶったら、いつの間にかそんな疑問も忘れて眠ってしまっていた――。
「だったら私、自分で買う!」
って言ったら、物凄く怒られてしまった。「お前が自分で買ったら意味ねぇだろーが!」って。
そりゃ〜確かにそうなんだけど……。
「温和、もうこういうのはこれっきりにしてね?」
ソワソワしながらそう言ったら「無理だな」って即答された。
「鶴見ん時にしても川越ん時にしても、俺がどんだけヤキモキしたかお前、分かってねぇんだよ」
って睨まれて、私はその迫力にたじたじになってしまった。
「私、そんなに危なっかしい?」
恐る恐る聞いたら「自覚ねぇのが余計タチ悪ぃんだわ」って溜め息をつかれた。
でも……温和だってかっこいいから、私もいつも気が気じゃないんだけどな。
温和は背も高いし、基本物腰柔らかだから物凄くモテる。
でもそれを言ったら、「だからペアリング買おうって言ったんだろ」って言われるのが落ちなので、恨めしげにチラチラ彼を見るだけに留めておいたの。
***
「――ちょっと電話してくるな」
ひとしきり私の指にはまった指輪を堪能してから、温和がそう言って立ち上がって。
私はやっと手を解放されてホッとする。
それにしてもどこに電話かけるんだろう?
一緒にいる時にわざわざ温和がどこかへ電話をすることなんてなかったから、不思議に思った。
でも私、すごくすごく疲れていたんだろうな。
ふわふわなソファの背もたれにすがって、ほんの少しだけ……って目をつぶったら、いつの間にかそんな疑問も忘れて眠ってしまっていた――。