オトメは温和に愛されたい
そんな話をしたら、温和に「あ。……俺も、それ、お前の名前でやったことある」ってつぶやかれた。
「え!? 温和も!?」
温和の思いもよらない告白に、私の頭はグルグルと空回りをする。
「それって……うちに婿養子にくる想像をして“鳥飼温和”って書いたことがあるってこと!?」
思わず食い気味にそう尋ねたら「は?」って驚いた顔をされて、すぐに大笑いされてしまった。
「バカ音芽。俺が考えたのは自分の名前じゃねぇよ。お前の苗字が俺と同じになったらって方だよ」
さすが音芽ってクスクス笑う温和に、私は真っ赤になってしまう。
だってだって……そう思っちゃったんだもん。
ぷぅーっと膨らんで温和の腕から抜け出そうとしたら、そのまま強く引き寄せられて「あれが現実になるんだな」ってじっと見つめられた。
「お前が……霧島音芽になるとか……夢みたいだ」
熱っぽい瞳で私を見下ろしてくる温和に、私は縫い止められたみたいに動けなくなってしまう。
「あ、あの……それは私のセリフ……んっ」
です、まで言うつもりだったのに温和に唇を塞がれて途中までしか言わせてもらえなかった。
そのまま当然のようにソファに押し倒されながら、視界の端で温和が飲んでいない麦茶のグラスの中、氷が溶け崩れてカランと音を立てて沈んだのが見えた。
私も、あの氷みたいに温和の熱に溶かされてしまうんだ。
ぼんやりと、そんな風に思った――。
「え!? 温和も!?」
温和の思いもよらない告白に、私の頭はグルグルと空回りをする。
「それって……うちに婿養子にくる想像をして“鳥飼温和”って書いたことがあるってこと!?」
思わず食い気味にそう尋ねたら「は?」って驚いた顔をされて、すぐに大笑いされてしまった。
「バカ音芽。俺が考えたのは自分の名前じゃねぇよ。お前の苗字が俺と同じになったらって方だよ」
さすが音芽ってクスクス笑う温和に、私は真っ赤になってしまう。
だってだって……そう思っちゃったんだもん。
ぷぅーっと膨らんで温和の腕から抜け出そうとしたら、そのまま強く引き寄せられて「あれが現実になるんだな」ってじっと見つめられた。
「お前が……霧島音芽になるとか……夢みたいだ」
熱っぽい瞳で私を見下ろしてくる温和に、私は縫い止められたみたいに動けなくなってしまう。
「あ、あの……それは私のセリフ……んっ」
です、まで言うつもりだったのに温和に唇を塞がれて途中までしか言わせてもらえなかった。
そのまま当然のようにソファに押し倒されながら、視界の端で温和が飲んでいない麦茶のグラスの中、氷が溶け崩れてカランと音を立てて沈んだのが見えた。
私も、あの氷みたいに温和の熱に溶かされてしまうんだ。
ぼんやりと、そんな風に思った――。