オトメは温和に愛されたい
「――お、おはよー」
扉を開けて、とりあえず挨拶をしてみる。
うん、声、裏返ってないよ、ね? 普通に言えた、よね?
「――手当て。昨日……ちゃんと最後まで出来てねぇから……」
温和は私のおはように、軽く「ああ」と返しただけで、すぐ本題に入った。
手には救急箱を持っていて、それを私に見せると、
「入るぞ」
どうぞ、とも言ってないのに勝手に部屋に上がり込む。そのままリビングまでズカズカ歩いて行って、私を振り返ると、
「何してる、早く来い」
とか……相変わらずの暴君ぶり。
昨夜のうちに部屋干ししていた洗濯物、取り込んどいて正解だった、と私がソワソワしていることなんてきっと温和には分からないんでしょうね。そう思うと、なんか悔しい。
「もう、ハルに……っ、――温和、勝手すぎ」
ハル兄と言いそうになった瞬間、不機嫌に睨まれて、私は慌てて温和、と言い直す。
スカンツの生地が足に擦れないように生地を摘んで9温和《はるまさ》の所まで行くと、目線で椅子に座れと促された。
渋々従ったら、勝手に裾をたくし上げられて、傷口をさらされてしまう。
「ひゃっ、ちょっ、なに勝手にっ」
スカートではないけれど、なんの断りもなく女の子の服をめくるとか、ないからっ!
真っ赤になりながら慌てたら、剥き出しの傷口を見た温和に、呆れた顔をされた。
扉を開けて、とりあえず挨拶をしてみる。
うん、声、裏返ってないよ、ね? 普通に言えた、よね?
「――手当て。昨日……ちゃんと最後まで出来てねぇから……」
温和は私のおはように、軽く「ああ」と返しただけで、すぐ本題に入った。
手には救急箱を持っていて、それを私に見せると、
「入るぞ」
どうぞ、とも言ってないのに勝手に部屋に上がり込む。そのままリビングまでズカズカ歩いて行って、私を振り返ると、
「何してる、早く来い」
とか……相変わらずの暴君ぶり。
昨夜のうちに部屋干ししていた洗濯物、取り込んどいて正解だった、と私がソワソワしていることなんてきっと温和には分からないんでしょうね。そう思うと、なんか悔しい。
「もう、ハルに……っ、――温和、勝手すぎ」
ハル兄と言いそうになった瞬間、不機嫌に睨まれて、私は慌てて温和、と言い直す。
スカンツの生地が足に擦れないように生地を摘んで9温和《はるまさ》の所まで行くと、目線で椅子に座れと促された。
渋々従ったら、勝手に裾をたくし上げられて、傷口をさらされてしまう。
「ひゃっ、ちょっ、なに勝手にっ」
スカートではないけれど、なんの断りもなく女の子の服をめくるとか、ないからっ!
真っ赤になりながら慌てたら、剥き出しの傷口を見た温和に、呆れた顔をされた。