オトメは温和に愛されたい
***
「お待たせしました」
と、そこで病室の扉がガラッと開いて、紙袋を手にしたなっちゃんが帰ってきた。
「わっ、ごめんね、なっちゃん、沢山、1人で大変だったでしょ!」
慌てて駆け寄ったら「大丈夫。ちゃんとこぼれないように紙製のトレイにひとつずつカップをはめて紙袋に入れてくれてるし、問題なしよ!」
言いながら、なっちゃんがベッド横の床頭台――テレビや引き出しのついた側机――に紙袋を載せる。
「大我さん、ベッドのところのテーブル、出しても?」
ベッドにまたがるように設置された長細いテーブル――オーバーテーブルを指差すなっちゃんに、「もちろん」と応えると、鶴見先生が「狭くてすみません」と言って。
その表情からは、先程までのどこか仄暗い陰は消えていて、いつものにこやかで穏やかな同僚の鶴見先生だった。
個室ではないけれど4人部屋なので、大部屋ほど窮屈ではない。
とはいえ、カーテンで仕切られた空間に大の大人が4人は結構ぎゅーぎゅーで。
「お待たせしました」
と、そこで病室の扉がガラッと開いて、紙袋を手にしたなっちゃんが帰ってきた。
「わっ、ごめんね、なっちゃん、沢山、1人で大変だったでしょ!」
慌てて駆け寄ったら「大丈夫。ちゃんとこぼれないように紙製のトレイにひとつずつカップをはめて紙袋に入れてくれてるし、問題なしよ!」
言いながら、なっちゃんがベッド横の床頭台――テレビや引き出しのついた側机――に紙袋を載せる。
「大我さん、ベッドのところのテーブル、出しても?」
ベッドにまたがるように設置された長細いテーブル――オーバーテーブルを指差すなっちゃんに、「もちろん」と応えると、鶴見先生が「狭くてすみません」と言って。
その表情からは、先程までのどこか仄暗い陰は消えていて、いつものにこやかで穏やかな同僚の鶴見先生だった。
個室ではないけれど4人部屋なので、大部屋ほど窮屈ではない。
とはいえ、カーテンで仕切られた空間に大の大人が4人は結構ぎゅーぎゅーで。