オトメは温和に愛されたい
***
なっちゃんと2人で、袋の中からひとつずつコーヒーをテーブルに出す。
「皆さん、内緒話はすまれました?」
各々にカップが行き渡ったのを確認して、なっちゃんがそう言って、クスッと笑った。
「内緒話ですか? はい。すみましたよ。僕は今、撫子と付き合っていますので僕が居ないからって手を出さないでくださいねって霧島先生に釘を刺させて頂いていたところです」
なっちゃんにニコッと笑いかける鶴見先生に、温和が「は? それ、逆でしょう」と応酬する。
さっきの今で、温和相手にこんな軽口が叩ける鶴見先生のメンタルは、やはり私には理解不能で……どこか不気味にすら思えて。
でも温和はそんな鶴見先生の言に何の戸惑いもなく乗るの。
ある意味温和も海千山千の強者かもって思った。
「俺の音芽に2度と言い寄らないでくださいねって話だったんじゃなかったですかね?」
恥ずかしいことを平気で言い合う男性陣に、なっちゃんと顔を見合わせて眉根を寄せる。
そうして堪え切れなくなって、2人で笑い合ってから、「私たちも恋人を取らないでねって言い合いしなきゃダメですかね?」って私が言ったら「あー、オトちゃんが大我さんにそういうことしたら私、恨んじゃう!」って返してくれて。
そんなことありっこないのにね、って笑って、コーヒーを飲んで。
ん、苦いっ!
そういえば私、コーヒーはミルクたっぷりじゃないと飲めなかった。
そう思ったけど、楽しそうなみんなの様子を見ていたら、いつもは飲めないはずのブラックコーヒーが不思議とそこそこ飲めて――。
アイスコーヒーだったのも、氷で薄まるのと、冷たさで舌が麻痺するから良かったのかも知れない。
なっちゃんと2人で、袋の中からひとつずつコーヒーをテーブルに出す。
「皆さん、内緒話はすまれました?」
各々にカップが行き渡ったのを確認して、なっちゃんがそう言って、クスッと笑った。
「内緒話ですか? はい。すみましたよ。僕は今、撫子と付き合っていますので僕が居ないからって手を出さないでくださいねって霧島先生に釘を刺させて頂いていたところです」
なっちゃんにニコッと笑いかける鶴見先生に、温和が「は? それ、逆でしょう」と応酬する。
さっきの今で、温和相手にこんな軽口が叩ける鶴見先生のメンタルは、やはり私には理解不能で……どこか不気味にすら思えて。
でも温和はそんな鶴見先生の言に何の戸惑いもなく乗るの。
ある意味温和も海千山千の強者かもって思った。
「俺の音芽に2度と言い寄らないでくださいねって話だったんじゃなかったですかね?」
恥ずかしいことを平気で言い合う男性陣に、なっちゃんと顔を見合わせて眉根を寄せる。
そうして堪え切れなくなって、2人で笑い合ってから、「私たちも恋人を取らないでねって言い合いしなきゃダメですかね?」って私が言ったら「あー、オトちゃんが大我さんにそういうことしたら私、恨んじゃう!」って返してくれて。
そんなことありっこないのにね、って笑って、コーヒーを飲んで。
ん、苦いっ!
そういえば私、コーヒーはミルクたっぷりじゃないと飲めなかった。
そう思ったけど、楽しそうなみんなの様子を見ていたら、いつもは飲めないはずのブラックコーヒーが不思議とそこそこ飲めて――。
アイスコーヒーだったのも、氷で薄まるのと、冷たさで舌が麻痺するから良かったのかも知れない。