オトメは温和に愛されたい
 温和(はるまさ)が「ハウステンボスを起点に考えて、そこから日帰りで回れる場所を楽しむのどう?」って言ってくれて、私はそれに諸手(もろて)を上げて大賛成したの。

 だってね、温和(はるまさ)が、「行けそうなのはココとココとココと……」
 ってパンフレット内に印を付けてくれたところ、どこもみんな楽しそうだったんですもの!

 4泊5日の限られた時間内――。

 あまり詰め込みすぎると消化不良になるぞ、って温和(はるまさ)に釘を刺されて、彼がつけてくれた印と睨めっこをする。

 九十九島水族館海きらら、九十九島動植物園森きらら、九十九島遊覧船パールクィーン、三浦町カトリック教会、佐世保朝市など、結構見所が満載で迷ったのは当然だよね。

 予定では飛行機で長崎空港に飛んで、空港に隣接したレンタカー屋さんで予め手配していたレンタカーを借りるという算段で。
 20キロ以内くらいの道のりなら、車で難なく移動できる距離だからという温和(はるまさ)の言葉で、上記の印はハウステンボスから大体その範囲内にあるところばかりなんだとか。

 そういえば温和(はるまさ)ってば、レンタカー屋さんには色んな車種があったのに、数ある中から選んだのが、結局いつも乗っているタントで。

 何で?って聞いたら「乗り慣れた車のほうが疲れないだろ?」だって。

 確かに私がペーパードライバーで運転を交代できないことを考えると、それは大事だなって思ったの。
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