オトメは温和に愛されたい
ハネムーン
 新婚旅行への出立の木曜()
 仕事後一旦家に帰ってから、旅行鞄を手に2人で最寄りの空港へ。

 そこから一路長崎空港へ飛んだの。

 正直に言います。
 私、飛行機に乗ったのなんて生まれて初めてで、ものすごく緊張しました!

 あんな大きな鉄の塊が空を飛ぶなんて!
 温和(はるまさ)が一生懸命飛行機が飛ぶシステムを説明してくれたけど、全然ピンとこなくって。
 結局、そんな私を一番落ち着かせてくれたのは、温和(はるまさ)がギュッと手を握ってくれたことだった。

 考えたくないけれど、もしもこのまま飛行機が落ちてしまったとしても、温和(はるまさ)と一緒なら怖くないって思えたの。

***

 フライト自体はおよそ2時間。
 空港に隣接したレンタカー屋さんで手配していたレンタカーに乗って、21時にはホテルへチェックインできました。

 押さえたお部屋はキングサイズのベッドがひとつきりのハネムーン仕様。
 実はホテル選びで一番こだわったのは、バス・トイレが分かれていることで。
 ホテルって、ユニットバスが多いけれど、ひとりで泊まるならまだしも、温和(はるまさ)とふたりであれが一緒だったら、私、トイレに入れなくなっちゃうっ!
 泣きそうになりながらそう言ったら、温和(はるまさ)が一生懸命私の希望に合うホテルを探してくれたの。
 そのせいで宿泊費に関して言うと、予算を少し上回ってしまったのに、温和(はるまさ)は嫌味のひとつも言わなかった。
 そればかりか、妻の希望を叶えるのが夫としての俺の務めだろ?とか言ってくれて。
 
 私の旦那様は本当に素敵なのですっ。
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