オトメは温和に愛されたい
 私のつたない口淫――って言うんだよね?――で、温和(はるまさ)が感じてくれている。

 そう思うだけで、子宮の奥から何かがこみ上げてくるみたいにキュンキュンする。

 その感覚に戸惑うように、足をもじもじとすり合わせていたら、温和(はるまさ)の手が下肢へと伸びてきた。

 下着をずらして、直に谷間を割りひらくように温和(はるまさ)の骨張った指が侵入してくる。

「――、んんっ」

 声を出したいのに、温和(はるまさ)に押さえられた頭は、温和(はるまさ)のものから(のが)れる余地を与えてくれなくて。

 涙目になりながら温和(はるまさ)の欲望をくわえたまま、下肢の敏感なところを擦り上げられる。

 苦しくて……切なくて……堪らなく気持ちいい。

 ビクビクと身体がはねて、温和(はるまさ)の手指を私の愛液がびしょびしょに濡らしていくのがわかった。

音芽(おとめ)、お前の下、すげぇ濡れて、んな。……熱く、うねって、キュッと締め付けながら俺の指、……くわえ込んでる……」

 私が温和(はるまさ)のセリフに悶えるように反応するたび、温和(はるまさ)が息を詰めたように吐息を漏らすのがわかる。

 温和(はるまさ)も、きっと気持ちいいんだ。

 口がきけない私は、温和(はるまさ)に希望を述べることも出来なくて。

 こんなに温和(はるまさ)が欲しいのに、それを伝えられないことがこんなにもどかしいなんて、知らなかった。

「んん、んーっ」
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