オトメは温和に愛されたい
 あ、なに、お仕置きって……こういう羞恥プレイ的な嫌がらせのことなの?
 精神的に色々削ってくる系?

 確かに……すごーく堪えるわ、これ。

 私は恥ずかしさに真っ赤になりながら、泣きそうになる。

 恥ずかしい下着の次は体臭問題ですか。

 どれだけ私は温和(はるまさ)に生き恥さらしちゃうんだろう。

「……だからさっき、お風呂入ったりしなきゃいけないって言ったじゃんっ!」

 涙目になりながらそう返したら、温和(はるまさ)が、ひとり得心がいったように「風呂……か。それも悪くないな」とつぶやいてきて。

「待ってな、湯張りしてきてやる」

 つぶやくように言って、私の上から退いてくれる。

 私は慌てて起き上がると、バスルームの方へ向かう温和(はるまさ)の後ろ姿を見つめながら、こっそりカーディガンの袖口に鼻を近付けてクンクンしてから……、次いでTシャツの胸元を引っ張ってニオイを嗅いでみた。

 よく分からないけれど……私、そんなに臭いのかな。

 強いて言えば……。
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