オトメは温和に愛されたい
温和(はるまさ)……それって」

 ……妹を心配する、()()気持ち?
 ふとそう考えて、違う気がする、と思い直す。
 カナ(にい)なら、私が誰と何をしようと気にしないはずだもの。もちろん、からかうチャンスは狙うかもしれないけれど……それだけだと、思う。

 だとしたら――。

「……もしかしてヤキモチ――?」

 だったりする……の、かな?
 そんな風に自惚(うぬぼ)れてもいいの、かな?

 言って、不安になりながら彼を見つめたら、温和(はるまさ)は何も言わずにそっぽを向いてしまった。
 そのまま質問には答えてくれないで、ぶっきら棒に「とにかく、俺に無断で勝手なことすんの、やめろ。わかったな?」と付け加えてきて。

 私は、そんな温和(はるまさ)の横顔に、思わず「ぱ、パンケーキ……」とつぶやいてしまっていた。

「は?」

 いきなり何だよ?と私の方を振り返ってきた温和(はるまさ)に、

「しゅ、週末……。パンケーキを食べに行こうって鶴見(つるみ)先生と約束してて……」

 そこまで言ったら、温和(はるまさ)に両腕をグッと掴まれた。
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