私を変えたのは、契約の婚約者。〜社長令嬢は甘く淫らに翻弄される〜
「こら、また時間を忘れて仕事してるのか?」
打合せに出かけていた真宮部長から声をかけられて、時計を見た。
(十二時五十五分。いつの間に……)
「スケジュール調整も仕事のうちだぞ?」
「すみません……」
あきれたような真宮部長に頭を下げる。
昼休みは一時までだから、今から売店に行く時間もないし、自販機で飲み物でも買ってこようと思い、立ち上がった。
廊下の自販機を見ると、コーンスープがあって、少しはお腹が満たされるかと買ってみる。
席に戻ると、真宮部長が眉を上げた。
「昼に行ったんじゃなかったのか?」
「お昼休みはもう終わるので」
「融通の効かないお嬢様だな。ずらしたと思えばいいだけじゃないか」
「いいえ、規則ですから」
社長の娘が会社の規則に従わないなんて、示しがつかない。
そもそも、真宮部長の言うとおり、時間管理ができていない私が悪い。
「風紀委員かよ! お嬢様はお硬いな」
そう揶揄しながら、真宮部長はなにかを放ってよこした。慌ててキャッチする。
「仕方ないな。俺の秘蔵のチョコをやるよ。それでも、食べろ」
秘蔵のと言うわりに、それは市販のチョコウエハースで、私は手の中のものをしげしげと眺めた。
「好きなんだ、それ。お嬢様のお口には合わないかもしれないが」と照れくさそうに言って、真宮部長はパソコンに向き直った。
「いえ、ありがとうございます」
有り難く、チョコウエハースとコーンスープのランチを取り、私は仕事を続けた。
打合せに出かけていた真宮部長から声をかけられて、時計を見た。
(十二時五十五分。いつの間に……)
「スケジュール調整も仕事のうちだぞ?」
「すみません……」
あきれたような真宮部長に頭を下げる。
昼休みは一時までだから、今から売店に行く時間もないし、自販機で飲み物でも買ってこようと思い、立ち上がった。
廊下の自販機を見ると、コーンスープがあって、少しはお腹が満たされるかと買ってみる。
席に戻ると、真宮部長が眉を上げた。
「昼に行ったんじゃなかったのか?」
「お昼休みはもう終わるので」
「融通の効かないお嬢様だな。ずらしたと思えばいいだけじゃないか」
「いいえ、規則ですから」
社長の娘が会社の規則に従わないなんて、示しがつかない。
そもそも、真宮部長の言うとおり、時間管理ができていない私が悪い。
「風紀委員かよ! お嬢様はお硬いな」
そう揶揄しながら、真宮部長はなにかを放ってよこした。慌ててキャッチする。
「仕方ないな。俺の秘蔵のチョコをやるよ。それでも、食べろ」
秘蔵のと言うわりに、それは市販のチョコウエハースで、私は手の中のものをしげしげと眺めた。
「好きなんだ、それ。お嬢様のお口には合わないかもしれないが」と照れくさそうに言って、真宮部長はパソコンに向き直った。
「いえ、ありがとうございます」
有り難く、チョコウエハースとコーンスープのランチを取り、私は仕事を続けた。