小春日和
家族崩壊
　私が１４歳の時父の経営していた会社がたくさんの負債をかかえて倒産した。
　毎日借金取りの電話や押しかけがくる。
　鳴りやまない電話、罵声・・・。
　ひたすら謝る両親。

　そして私の家は病んでいった。

　家を売って、専業主婦だった母も働いた。

　ある日、学校から家に帰るとテーブルに置き手紙があった。

「小春ちゃん、ごめんね」と。

　私は家の中を夢中で両親を探した。

　いた！

　でも二人は動かない。

　寝室のの梁につるされていた。

　「お父さん！お母さん！」

　いくら叫んでも二人は目を覚まさない。

　後のことはよく覚えていない。

　警察がきていろいろ聞かれたが放心状態で何も言えなかった。

　私は施設に預けられることになった。
　
< 2 / 15 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop