逆プロポーズした恋の顛末
この日がなかったら、いまのわたしたちも、ない。
夕雨子さんと所長が夫婦として歩み出したこの日があったから、義父が生まれ、尽が生まれ、そして、わたしたちが出会って幸生が生まれた。
当たり前のようで、当たり前ではない、いくつもの奇跡や偶然、決断や選択がいまのわたしたちにまで繋がっている。
だったら、いまのわたしたちから先に繋がるものもあるはず――。
そう思ったら、居ても立ってもいられなくなった。