逆プロポーズした恋の顛末
「クラシカルなドレスもいいですね。律さんの雰囲気にぴったり」
「律みたいに華奢だと、露出が多すぎるものは逆に似合わないわ」
長袖、レースのハイネック、というクラシカルなデザインのドレスにしたのは、わたしのこだわりではない。
夕雨子さんが着ていたドレスのデザインに似通ったものにしたかったのと、交通事故の打撲痕が目立たないように、という理由からだ。
偲月さんに指示されるまま、俯いたり、振り返ったり。
いろんなポーズで写真を撮られていると、ノックの音と共にブライダル担当のホテルスタッフが現れた。
「伊縫さま、そろそろチャペルへ移動をお願いしてもよろしいでしょうか?」
「あ、はい!」