リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
「……なに、言ってるんですか?」

南先輩と実花さんが付き合ってないわけがない。先輩は一途に実花さんのことだけを想ってて、実花さんも先輩のことを好きになり始めてた。

「気になって晴人に直接聞いた。望月さんからの告白、断ったんだって」

「……うそだ、そんなの」

二階の窓から見た、二人が仲良さげに笑い合う姿が思い出された。


「嘘じゃないよ」

「……なんで?先輩はずっと、実花さんのことだけを想ってたんですよ。断る理由なんてないはずです」

先輩の実花さんへの一途な想いが、そんなに簡単になくなってしまうとは思えない。
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