リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
「なんでなのかは、自分で考えな」

厳しくも温かみのある声で大友先輩は言った。


「……私には、わかりません」

「菫ちゃん、想うだけで伝わるなら、誰も苦労しない。誰だって傷つくのは怖い。不安や恐怖を持ちながら、それでも前に進んでいくんだよ」

先輩の言葉には重みがあって。

私に気持ちを伝えてくれたときも、考え抜いてのことだったんじゃないかと思った。


「一歩前に進めたら、明日は変わるかもしれないよ」

先輩はいつもと変わらない笑顔でそう言った。


「……大友先輩。私、」

……私、南先輩に伝えたい想いがある。

結果がどうなるにしても、やっぱり先輩に聞いてほしい。知っててほしい。


私のはじめての、大切な、……大切な想いだから。
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