リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
「うん。その人、どんな見た目だった?」

「えっ、えっと、色が白くて鼻筋が綺麗で、くせのある黒髪に長いまつ毛。とにかく綺麗な顔をしてました」

昨日のことだからなのか印象に残っているからなのか、すぐに思い出すことができた。

「で、花言葉を話してくれたんだ」

「そうです。リナリアって花の」

それを聞いて、大友先輩は納得したように小さく頷いた。

「うん。その人たぶん、じゃなくて確実に、俺の知り合いだわ」

「……えっ?ほんとですか?」

「南晴人(みなみ はると)。中学からの知り合い」

「……みなみ、はると」

南先輩って言うんだ。

そして、大友先輩の知り合いだったんだ。急に距離が近くになった気がして胸が高鳴った。
< 16 / 123 >

この作品をシェア

pagetop