リナリアの咲く季節には、キミが隣に。

叶わない恋

「晴人は長年想ってる人がいてね。……だから、」

私の勘は、どんぴしゃに当たってたんだ。

「本当はこんなこと言いたくないんだけど……」


何を言われるかは、ある程度予想ができていた。

「……晴人はやめなよ。菫ちゃんがどんなに想っても、その恋は叶わないと思う」


——叶わない恋、かぁ。

ピンとこなかった。恋なんていうものは、初めてだから。


叶うとか叶わないとか、それがそんなに重要なことだとは、今の私には思えなかった。