リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
「あっ、白いスミレもある」
紫色のスミレの隣には白いスミレも咲いていた。
小さな五枚の花びらが、重なり合わないように健気に開いている。
スミレは紫色のイメージが強いけれど、白いスミレもまた綺麗だ。
“謙虚”、“誠実”なんて花言葉、私とはかけ離れてるよなあ。
「白いスミレの花言葉は、“あどけない恋”」
「あどけない恋、ねぇ……」
植物に気を取られていた私は、無意識のうちに復唱していた。
「……って、えっ?」
聞き覚えのある声がして振り返る。
「南先輩!!」
思いがけない爽やか王子の登場に、心拍数が一気に上がる。
「あれ、なんで俺の名前知ってんの?昨日教えたっけ?」
「南先輩は、有名人なんです!」
「そう?それは光栄だな」
冗談にもさらっと乗ってくれる先輩に、頬が緩んだ。
紫色のスミレの隣には白いスミレも咲いていた。
小さな五枚の花びらが、重なり合わないように健気に開いている。
スミレは紫色のイメージが強いけれど、白いスミレもまた綺麗だ。
“謙虚”、“誠実”なんて花言葉、私とはかけ離れてるよなあ。
「白いスミレの花言葉は、“あどけない恋”」
「あどけない恋、ねぇ……」
植物に気を取られていた私は、無意識のうちに復唱していた。
「……って、えっ?」
聞き覚えのある声がして振り返る。
「南先輩!!」
思いがけない爽やか王子の登場に、心拍数が一気に上がる。
「あれ、なんで俺の名前知ってんの?昨日教えたっけ?」
「南先輩は、有名人なんです!」
「そう?それは光栄だな」
冗談にもさらっと乗ってくれる先輩に、頬が緩んだ。