リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
「なにもいりません!迷惑はかけません!」

ははっと笑った先輩。

「面白いなぁ、菫ちゃんは。毎週火曜日七時三十分、ここに集合ね。朝早いけど、ちゃんと起きれる?」

さらっと私の名前を呼んでくれた。

これって些細なことなのかな?

でも、好きな人に名前を呼ばれるって、こんなに嬉しくて胸がときめいて、笑みが溢れてしまうことなんだ。

「はい!寝坊なんて絶対にしません!南先輩」

先輩と同じ時間を過ごせるなら、他に何もいらないよ。


——その時は、本気でそう思ったんだ。

恋の始まりは、つらさよりもトキメキが勝ったみたいだ。


次の火曜日まで待ち遠しかった。でも、そんな時間すら楽しかった。

先輩の顔を思い浮かべて、どんな会話をしようとか。

片想いってつらいって聞いてたけど、こんなに楽しくていいのだろうか?
< 24 / 123 >

この作品をシェア

pagetop