リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
金曜日の昼休み、図書室で返却された本を大友先輩と元の位置に戻していた。

「菫ちゃん、なんか最近楽しそうだね。いいことあった?」

「大友先輩には教えません。内緒です」

「なんだなんだ、生意気な後輩になってきたなぁ〜」

大友先輩には言えなかった。

「まあ、菫ちゃんは笑顔が一番似合うから。そうやって、いつも楽しそうにしててよ」

大友先輩に南先輩と会ってることを言ったら、「つらくなるだけだからやめとけ」って言われそうだから。

今はただ、南先輩を想うことがとても幸せだから、否定されるような言葉は聞きたくないんだ。
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