リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
「……綺麗」

目の前にあるどこか切なげな横顔を、不覚にも綺麗だと思ってしまったのは、よくないことだっただろうか?


「……えっ?」

驚いた顔をしてこちらを振り向いた彼。

綺麗な顔に朝の光が降り注いで、目の前に天使が現れたかのような衝撃を受けた。

目と目があった。正面から見た顔も、驚いた顔も、やっぱり綺麗だった。


……じゃなくて、

「え?……えっあっ、私今、声に出てました?」

無意識に口元を手で押さえる。何この状況。恥ずかしい。

やだ、なに言ってるの私。バカじゃないの。


今、確実に私の顔は真っ赤だ。

目の前にいる彼は、不思議なものでも見るかのように目を丸くして私を見ている。

完全に私、変なやつじゃん……
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