リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
「そ、そうかなぁ?」

「もしかして、前言ってた先輩となんかあったの?」

「あったっていうか、……うん。週に一回、一緒に緑化活動してるんだ」

「緑化活動?何それ?よく分かんないけどすごいじゃん、菫にしては。先輩、どんな人がタイプなんだって?」

南先輩の好きなタイプ、好きな髪型、過去の恋愛……


花の知識は増えるけど、先輩のことはなにも分からない。

踏み込んだことは聞かない。それでいいんだ。

……だって、そんなこと聞いたって何も変わらない。

——南先輩には、好きな人がいるんだから。


叶わない恋を選んだのは、自分なんだから。
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