リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
「仲良くなったっていうかなんていうか……」

ややこしいことになってしまった。

南先輩と週一回会ってること、やっぱり大友先輩に伝えておくべきだったと後悔する。

「週一回、美化委員の活動手伝ってもらってるだけだよ」

簡潔に南先輩が答えてくれた。


「あっ、じゃあ南先輩。おすすめの小説紹介しますね。こっちです!」

三人でいるのは面倒ことになりそうなので、南先輩の手を引いて、小説のコーナーに案内する。

読んでほしい小説は決まっていたので、棚から一冊すっとその本を取り出し、先輩に手渡した。
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