リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
「先輩、この本です!ぜひ読んでみてください!」

先輩は渡された本をまじまじと見つめた。

「タイトルからして、花がたくさん出てきそうだね」

「花好きにはたまらないと思います。それに、花を中心とした物語だけど、出てくる登場人物も個性的で面白いんです」

本のことになると、ペラペラと饒舌になる私。

「読んでみる」

「はい!感想待ってます」

「じゃあ、この本の貸し出しお願いします。優秀な図書委員さん」

「かしこまりました。南先輩」

何でもないやりとりが、私にとってはお花畑にいるような幸せをくれる。
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